その人が住んでた家の近くには、取り壊されていない、誰も住んでない家があったそうだ。

小学生だったその人は、朝学校へ行くたびにその家を眺めていたんだけど、ある時、その壁にペンキか何かで女の人らしき顔の落書きが描かれていたらしいんだ。

そこまでリアルに描かれていた訳ではないんだけど、こう、長い髪が簡単に描かれていて、で、目はただの丸が二個あっただけだった。

特徴はその口なんだけど、最初は横に一本引いてあるだけでなんてことなかったらしいんだ。

でも毎朝見ているその人は気づいた。

朝、見かけるたびにその横棒が、微妙にだけど、「へ」の字に曲がってきている事を。

そのうちその口はほぼ90度くらいになって、けっこう異様な雰囲気な絵になったそうだ。

その絵を見ていると、なんだか気がどんどん滅入ってきたらしい。

その人は体に疲れを感じるようになった。

そしてある日の深夜その人が寝ていると、頭の中や部屋の中、窓の外から、

「キャハハハハハハハハッ・・・・」

って女の声がして、飛び起きたそうだ。

なんとなくその人はある予感がして、深夜にもかかわらずその壁の絵を見に行った。

するとその絵の女の顔の口は、口裂け女のごとく、逆「へ」の字に折れ曲がっていたそうだ。

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