十数年前の話。

小学5,6年と担任にいじめられた俺。

漢字の書き取りテストが出来なかった事で人間扱いせず、最終的には廊下の壁に向かい合う形で机を置かれ、授業を受けさせてもらえなかったのが半年以上続いた。

卒業式の時には名前を読み飛ばし、他の先生から指摘を受けると大声で

「そんな奴うちのクラスにはいません!」

と言いやがった。

家に帰った段階で首つって死のうかとも思った。

そんな状態で中学に行った俺は、周りの連中から浮いた存在になった。

そこで、

「こんなんなら自分の好きなようにやろーっと」

とお気楽に考えた俺は、ちゃんと学業もやりながらボランティアをやり始めた。

中学の3年間、ボランティアをやっていたおかげかどうかは知らないが、卒業式の日に、一校で一人か二人が選出される表彰を受けた。

自分は

「何かの間違いじゃないんですか」

と言ったのだが、

「貰えるものは貰っておきなさい」

という校長先生の言葉にありがたくそれを貰った。

卒業式から数日後、父と偶然出かけた先で小学5、6年の時の担任に出会った。

向こうは今教えている子供らその親数人が一緒だった。

表彰の事をどこから知ったのか、子供たちや親にさも自分が取らせてやったのだと言わんばかりの口調と声量で話しかけてくるので、こう言ってやった。

「そうですよね、あなたが私を人間扱いしてくれなかったお陰で、表彰が受けられたんですよ」

一気に凍る元担任。

そこへ言葉を続ける俺。

「それに私はあなたの生徒じゃないんですよね。良かったですよ。卒業式で名前を呼ばれなくて」

俺の言葉にぎょっとしながら元担任に疑惑の目を向ける親。

最後に子供たちに向けて一言。

「気をつけろよ。漢字の書き取りが出来ないって事で、給食を床に四つん這いになって食えとか廊下に机を出して、授業を受けさせてくれないって事するから、この先生は」

口をパクパクさせたまま顔面蒼白な元担任、唖然とする子供たち、呆然とする親にほほえみながら会釈をし、その場を離れ、彼らから目の届かないところに来たところで父がハンカチを差し出した。

いつの間にか大粒の涙を流していたの俺は、そのハンカチで涙を拭うと、父が手を差し出してきた。

その手にハンカチを返すと、父はまた手を差し出してきた。

手を差し出している訳が分からずに顔を見ると、親父は「よくやった」と言わんばかりの満面の笑みを俺に向けていた。

そこで差し出された手の意味を理解した俺は父とハイタッチを決めていた。

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