私は結婚式場で、結婚式のビデオの編集のアルバイトをしています。

エディウスという編集ソフトを使い、撮影のミスがあるシーンをチェックし、問題があればカットしたり、つなぎ合わせたりします。

チャペルや神前式などの『式』と『披露宴』の様子をほとんど削る事無く、記念DVD化します。

その為、2~3時間あるビデオを、全部目で見てチェックしなければいけません。

流石に等速で見ていては日がくれてしまうので、普通は2倍速で見ます。

これ以上速くするとミスを発見できません。

撮影は、式場の天井に設置されたカメラを別室から、ゲームセンターのコントローラーのようなコンソールを駆使して行います。

こちらは私の担当では無いのであまり詳しくありませんが、1人につき2~3台のカメラを担当する忙しい作業です。

撮影は非常に忙しい仕事なので、時々ミスがあります。

例えば、コントローラーに触ってしまい、カメラが無意味に動く。

新郎新婦の顔が画面外にはみ出している。

意味の無い場面が映っている。

カメラの切り替えミス等々。

また、撮影ではなく、会場側におけるマイクのトラブル、ハウリング等も、私達編集スタッフがカットし張り合わせ、音量を上げ下げして、無かった事のように消してしまいます。

ある日、私は一組の新郎新婦の披露宴のビデオを、2倍速でチェックしていて、画面に一瞬ノイズが走ったのに気づきました。

エディウスでは1秒間を30フレーム、つまり1秒で30回画面を切り替えて動きを作り出しています。

そこで、さっきチェックしていた場所にカーソルを戻し、今度は等速で見てみます。

すると、やはり同じところで、一瞬画面が薄暗くなったのが判りました。

時々、映像にノイズが走る事があるので、それかと思い、今度はそのシーンを、1フレームずつ順番に見ていきます。

それが画面に映った瞬間、私は頭の中が

「???」

となってしまい、その次の瞬間には、

「ひゃえっ」

と小さく奇妙な悲鳴をもらしていました。

変なものが1フレームだけ映っていました。

画面の右下2/3ほどを占める、暗い緑色っぽい球状のモノに、黄色く濁った魚のような目(?)が1つだけ。

それはまるで、カメラを覗き込んできているようにも見えました。

画面の中央下から左上方向に向かって、3本の緑の線。

こっちは指っぽい感じです。

1フレームだけしか映っていないという事は、相当の速さで動いているようです。

一瞬、誰かが悪戯で妙ば画像を挟んでおいたのか、とも思いましたが、その良くわからないモノの背後には、しっかりと新郎新婦が映っています。

加工の痕跡も無く、やはり、その場で撮られたもののようです。

私はどうすれば良いかわからず、

「あの・・・」

と、編集スタッフを統括する社員さんに声をかけました。

彼はパソコンの画面を一瞥すると、私に退くように言い、パソコンを操作し始めました。

問題の1フレームを音声だけ残して切り取り、その前の1フレームの速度を1/2に調整して穴埋め。

これでほとんど痕跡は残りません。

私がおたおたしていると、彼は

「気にするな。仕事続けて」

とだけ言って、自分の席に戻って行きました。

これだけ冷静に対処すると言う事は、頻繁に同じような事が起こっているのでしょうか?

また見たら嫌だなぁ・・・。

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