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恐怖体験談2021.05.12 hide

肝試ししてから子供がでる悪夢を見る

閲覧数:1,345人 文字数:11895 いいね数:1 0件

あんま怖くないかも知れんが、俺自身は凄く怖かったって話。

長いので暇な人だけ読んで下さい。

九州の南部に住んでるんだけど、去年の8月の半ば位に、暇潰しに友人4人(男TとU2人、女RとK2人)とで肝試しをする事にした。

県内の山の中にあるS病院跡が割と有名らしく、夜の9時半位に家を出て俺の車で向かった。

病院跡の周辺には民家も何も無いって話だったから、途中にあるコンビニに立ち寄って缶ビールやジュースやら菓子やら花火なんかを買い込んだ。

買い物が終わって店を出た駐車場で偶然、別の友人グループとバッタリ出食わした。

んで、その場で駄弁ってる内に盛り上がっちゃったのね。

今買ったばかりのビールにジュースに袋菓子や唐揚げを食いながらで物凄く楽しかった。

そこのコンビニは郊外にあって、出来てまだ半年か1年位でまだ新しく、タクシーの待機所も兼ねていて、タクシーの運転手が2人、車外に出て世間話をしてた。

携帯でメールしててふっと横に目をやると、その内の1人の運転手のオッサンが話しながらこっちをチラチラ見てる。

目が合った途端、オッサンの方から顔を逸らしたけど、又直ぐにこっちを見てんのが分る。

コンビニの入り口から少し近いトコに集まって喋ってたもんだから、あー、ひょっとして俺達のこと邪魔とか思ってんだろうなーって。

そこで改めて周り見ると、いつの間にか駐車場に俺達と似たようなグループが2,3組み程増えてて、広めの駐車場が人でごった返してたのね。

これはヤベーわと思ってたら、案の定それから直ぐにパトカーが1台駐車場に入ってきて、スピーカーで

「君達すぐに解散しなさい」

って言って来た。

国道沿いにパチンコ屋やゲーセンが集中してて、ナンパスポットも近くにあるし、そんな中心にあるもんだから、週末になるとこういった事はしょっちゅうなので地元の連中は馴れっこ。

たまに国道を族がまとまって走って、パトカーと追いかけっこをやらかすんで、それ目当てのギャラリーも結構多く集まる。

コンビニの駐車場に人が集まり過ぎると他の買い物客が入り辛く、客も店も迷惑するんで、集まり出したら速攻で警察に通報すると、顔馴染みになったやたら背の高いコンビニの夜勤のオッチャンが教えてくれた。

しかもちょっと前に、コンビニの入り口から店内に向けてロケット花火を何発もぶっ放したアホがいて、そのせいでパトカーの到着がやたらと速くなった。

警官がパトカーから降りて来て、「家に帰るように」と促して廻る。

集まってる奴らみんな面倒臭そうにしながら、徐々に駐車場から車で出ていく。

それで俺達も車に戻って、ようやくそこで最初なにやるつもりだったか思い出して、改めて病院跡へ出発した。

ちなみに上でビールを買ったって書いたけど、俺自身はアルコールは一切駄目な下戸なんで。

それもあるから運転は俺がする事になったわけで。

病院跡の場所を俺は知らなかったので、病院跡で肝試しをしようって言い出したUが助手席でナビゲートしてくれながら、初めての暗い山道を進んだ。

約1時間半ほどかかって目的地に着いた。

小さな休憩所みたいな所で、ここで一旦車を駐めて、そこから少し歩くらしい。

時間は午前零時を回ってたと思う。

山の中にも関わらず意外と外は月明かりで薄明るい。

外に出て、持参した懐中電灯2本で適当にそこら辺を照らしてた。

マルボロに火を付けて背伸びしながら振り返ると、車でTがしゃがんで後部座席の下をゴソゴソしている。

「どした?」

って聞いたら、ライターを落としたんだと。

俺も運転席と助手席を見てみたけど何も見つからない。

俺「あれ?さっき吸ってたのは?」

T「Rから借りた」

俺「ひょっとしたらさっきのコンビニで落としたんじゃ?」

T「あー・・・かもなー・・・」

コンビニまでここから1時間半はかかるから、帰りに寄ろうって事になった。

準備を整えて廃墟へ向かう。

木ばっかりの細い獣道っぽい所をワイワイ喋りながら5分程進むと、開けた場所に出た。

結構広い、サッカー場の倍くらいはありそうだけど、砂利が敷き詰められてるだけで何も無い。

どうも取り壊して更地になってるって感じ。

「なんもないじゃん」

って言ったら、Uは

「えー?去年はあった筈なんだけどなぁ」

とか首を傾げてる。

「おいおいUさんしっかりしてくれる~?」

とかUをからかい、せっかくなんでコンビニで買った花火で遊びだした。

上半身裸になった男3人が、両手に火の付いた線香花火を持って奇声を発しながら走り回る。

親から黙って借りてきたビデオカメラで巨乳のKにセクハラする。

そしてロケット花火で反撃を喰らう。

ねずみ花火でサッカーをしてたら、いつの間にか砂利を相手に投げつける遊びに変化する。

今思い返すとなかなかに下らなくてアホ素晴らしい、つーか何やってんだろホント。

そんな風に騒いでると、獣道の丁度反対側に道路があるのに気付いた。

辺りを良く見ると駐車場の跡らしきスペースがあって、その先に道が続いてる。

T「本当はこっちから来るのが正解だったんじゃね?w」

俺「いや普通にこっちだろw」

取り敢えず奥まで行ってみようって暫く歩いてると、2~300M先に外灯の明かりとガードレールが見えてきた。

どうも本当にこちらから来るのが正解だったようだけど、今更車をこっちに回して来ても意味無いし、戻るかって話してると、途中に横道らしいのものを見付けた。

真っ暗な林のせいで先は何処に続いてるのかは分からない。

T「ちょいコッチ行ってみねぇ?」

みんながTに付いて行って横道に入って直ぐ、急にTが立ち止まんの。

T「待った!」

みんながTの様子を伺ってると、

ブフォッ

R「馬鹿じゃないのw」

K「イヤwホントくさーい!マジ最悪w」

T「ウフフフw」

俺「寄んな、抱きつくなw」

ガキみたいに屁こきで爆笑して、じゃれ合いながら進んでると、木と木の間に黒い大きな塊が見えて来る。

パッと見どうも民家っぽい。

近づくと確かに2階建ての1軒家がポツンとある。

壁や塀に蔦が生えてたり建物の周囲も草がボウボウで、玄関の前にはゴミが散らばってるし、古い一輪車が裏っ返しにして置いてある。

どう見ても人が住んでいるようには見えない。

「うわぁ・・・なんでこんなトコに家があるんだろ?」

とか、

「イヤー、ここ怖いよ」

なんて女2人は言っててビビってる。

俺も心の中で『なんだかやべぇーなここ』と思いながら、背筋がゾクッとした。

月明かりに薄っすら浮かぶ建物って結構迫力あって、俺も含めてみんなビビってた。

すると家の方から

「ガン」

とか

「カコン」

って音がすんのね。

「うぉお!?」

ってビクついてパッと横見ると、Tが石を拾って家に向かって投げてんの。

こいつがニヤニヤしながら

「ビビった?」

とか聞いてくるんで、ちょっとイラッとした。

このTって男は本当に悪戯好きって言うか怖いもの知らずって言うか、黙ってるとダルビッシュに似た顔とタッパでモテる筈なんだが。

ガキっぽ過ぎるって女達から言われる事が多い。

実はコンビニのくだりで省いたが、パトカーから警官が降りてきた時に、手に持った缶ビールを振りながら大声で

「さて運転しよっかなー」

とか言いつつ運転席に乗ろうとしたり、駐車場から出る時も警官に向かって何か暴言を吐いたり、やたら挑発的。

ここでもTだけは余裕でスタスタ塀の内側に入って行き、玄関の扉をガチャガチャやって開きそうにないのを確認すると、裏手に回って庭に入って行った。

この行動力だけは感心するっていうか、半ば呆れた。

それでTに付いて行くと、何か違和感がある。それが何なのか思い出せない。

でもイライラしそうだったからあまり気にしないようにした。

生え捲った雑草で歩きにくい庭に入ると、縁側の1階の窓が1枚、人が潜れる位に割れてて中に入れそうだった。

閉めきったままのカーテンを捲って中を照らすと、6畳位の部屋らしい。

RとKの女2人は完全にビビってて、

「ムリムリムリ」

とか半泣きで中に入りたがらなかった。

この雰囲気では流石にしょうが無いなと思った。

でも逆にTだけでなくUも案外平気そうにしてんのね。

男3人の中で俺だけビビってるのは有り得ないでしょ。

駄目でしょって自分に言い聞かせながら、俺も平気な振りしてた。

結局女2人は外で待って、俺とTとUの男3人で中を探検する事にした。

中に入ると、部屋中カビ臭いというか木の腐ったような匂いが凄い。

「うぉー」

とか

「すげぇ」

とか言いながら進んでった。

部屋は畳が敷いてあって、タンスや古い型のラジオがそのまま置いてある。

壁には掛け軸が掛けてあるし、開きっぱなしの押入れの中に布団があるしで、どうにも気に入らない。

部屋を抜けると廊下に出て、左がさっきの玄関、正面が脱衣所とトイレのようで、右に階段と奥に扉が1つあった。

廊下には布切れやビニール袋なんかのゴミが落ちてた。

ゴミの1つに、俺達が小学生くらいの時に潰れた店の買い物袋があって、この家自体10年以上はそのままかも知れないとチラっと考えた。

廊下に出た途端、なんか空気が淀んでるような感じで気持ち悪さが増してく。

脱衣所を覗くと洗面台があり、床が所々抜け落ちてて風呂場には行けそうに無かった。

玄関を調べてたUが俺とTのとこにやって来て、

「これTのじゃね?」

って手に持ったモノを見せてきたのね。

銀色で表面に炎のエンブレムが刻印されたジッポ・ライター。

間違いなくさっきの休憩所みたいなトコでTが探してた物。

Uが言うには、玄関の下駄箱の上に置いてあったらしい。

完全に担がれたと思ったんだろうTが、

「お前さ、そういうのやめてくんない?マジで」

と半ギレ。

そのジッポ・ライターはTと仲の良い年上の従兄弟から譲って貰った物とかで、Tのお気に入りなのはみんな知ってる。

人の良いUが、そんな他人の大事な物でわざわざこんな悪ふざけするとも思えなかった。

でも急にUが

「ゴメンゴメン」

って言いながら、あっさりと自分が犯人だって白状したのね。

俺もTもUの不自然な態度に「あれ?」って思ったけど、取り敢えずその場は気を取り直して、トイレを調べようとしてた時、頭の上で“ミシ”と音がした。

その瞬間3人とも固まって、誰も声を出さない。

急に冷静になって、ジットしたまま耳に意識を集中して天井の気配を探った。

音の感じから、2階からしたのだろうという事は判った。

音はその1回きりで他に音はしなかった。

お互いに顔を見合わせて、何故か小声で

「聞こえた?」「人?」「動物?」

と確認し合い、緊張感が一気に増して来た。

それ以上は何も起こらなかったんで、警戒しながら扉の奥を調べる事にした。

扉のノブを回して手前に引くと、そこは恐らくダイニングキッチンと居間を合わせたような広い部屋だった。

ダイニングテーブルがあり、食器棚の中の食器もそのまま。

その奥のキッチンの床はあり得ない位ゴミ袋や紙くずが散乱してて、近づきたくもなかった。

居間のテレビ台の上に凄く古い型のテレビが置いてあって、手前にソファーとテーブルがある。

壁にカレンダーとその横に何か貼ってあるんで、良く見ると小さな子供が描いたらしい親子の絵。

クレヨンでニコニコ顔の大きな人2人の間に小さい人が描いてある。

カレンダーの日付は1997年5月。

うわっ15年前じゃん。

すげぇ古いなぁとか思いながら、本当になんの気なしにカレンダー捲ったらもうビックリ。

捲ったカレンダーの真裏に、さっきと同じ子供が描いたらしい人の絵が描いてあんの。

何がビックリかって、その絵の目の部分だけ真っ黒に塗りつぶしてあんのね。

ちょうど穴がポッカリ空いたみたいな感じで。

絵を見た瞬間、呪怨の真っ白い子供を思い出して全身に鳥肌が立った。

持ってたカレンダーをパッと離して、どうしてか服で手を拭った。

もう、マジで気持ち悪い。

頭の中のイメージも恐すぎて、なんとか別の事を考えようと、ここに来る前にDVDで観たエアロスミスの“I Don’t Want To Miss A Thing”のサビ部分を、必死に頭の中で繰り返した。

流石にTとUも気持ち悪がって、カレンダーをもう1度触ろうとかしなかった。

このカレンダーで俺は完全に此処に来た事を後悔してしまって、1番元気な筈のTも冗談すら言わないの。

もう半ば意地で1階部分を見終わって、2階に上がる階段の前に立った。

急な勾配で小さな踊り場がある。

階段の途中の壁にちょうど拳位の穴が開いてた。何かで壁を叩き壊したような感じ。

気のせいか、2階から誰かに視られている気がしてしょうがなかった。

狭いのでTが先頭で1人づつ登る事になり、俺が真ん中で後ろにU。

ちょうど踊り場に差し掛かった時に、突然B’zのさまよえる青い弾丸が大音量で鳴った。

Tのスマホの着歌が狭い階段に反響してもの凄く響いて、思いっきりビクンってなったのね。

電話の相手は外で待ってる筈のRかららしく、Tがスマホに向かって少し話をした後直ぐに切った。

俺が

「何?」

って聞くと、

T「出ろって」

俺「は?」

U「どしたん?」

実はこの時、Tの方を向くと嫌でも上の2階廊下部分がうっすら見えるんだけど、何故だか無性に恐くて意識して見ないようにしてた。

T「なんか直ぐにこっから出ろって」

俺「・・・分かった」

訳は分からないが、兎に角出る理由が出来て少しホッとした。

で、向きを変えて階段を降りかけた瞬間、“ダン”ってすーごい重い音が直ぐ真上からした。

もうそっちを見るとかとんでもなくて、速攻駆け降りて必死で家から出た。

あれはほんっとうにビビった。正直に言うと半泣き。

何かを気にするとか全部吹っ飛んだ。

あの音を思い出すだけで今でも鳥肌がヤバイ。

心臓バックンバックン鳴ってて、大きく深呼吸しようとした弾みに咽て余計苦しくなった。

Tがフー、フーって荒い息しながら、ライトでしきりに家の中の様子を伺ってた。

喉が痛くてツバを吐きながらRとKを探すと、門のところに居た。

2人ともお互いに抱きつくようにピッタリくっついてて、Kは震えながら泣いてるし、Rも半泣きで酷い有り様だった。
お互い何があったかとか尋ねる余裕も無くて、殆ど駆け足で車に戻った。

戻る時は俺が最後尾だったんだが、やたら後ろが気になって気になってしょうがなかった。

気のせいなんだろうが、直ぐ真後ろに誰かがピッタリくっついて来てるような感覚があって恐かった。

歩いているうちに段々と無性に腹が立ってきて、何か現れたら思いっきりぶっ飛ばしてやるって気合を入れまくった。

でも絶対に後ろは振り向けなかった。

車を駐めてある広場の近くまで来て、何で違和感があったのかやっと判った。

やかましい位の虫の鳴き声。

家の周りでは静か過ぎる位に何の音もしてなかった。

車の側に来た時、TとUが急に興奮し出して、マジ恐かったとかヤベェヤベェと騒ぎ出した。

俺はその時になってようやく後ろを振り返る余裕が出来た程度で、はしゃぐ元気なんてとてもじゃないが無くて黙ってた。
しかも、RとKはまだショックを受けた感じのままで、特にKが凄く落ち込んでたから、帰りにみんなでファミレスに寄って落ち着くことにした。

車で山を下ってる最中、何故か急に塩っぽいのが食いたくなって堪らず、明太子のパスタとアイスコーヒーを頼んで食った。

パスタを食ってる最中、右肘から少し血が出てるのをUから指摘された。

傷自体は少し切った程度だったが、全く痛くなく、どこで何時切ったのか全然気付かなかった。

据付のナプキンで軽く血を拭き取って、少しの間抑えてたら血はしっかり止まった。

パスタを食い終わる位に、店内に入ってすぐトイレに篭ってたRとKが出て来た。

Rはカフェオレ、Kはイチゴパフェ(朝っぱらからかよ)を注文したりして、2人共少しづつ元気が出てきたみたいで、あの家でお互いに何があったのか話し合った。

何でも、俺たち男連中が家に入って暫くして、Kがもの凄い視線を感じて2階を見上げると、窓際に人が立って居て、そいつと目が合ったらしい。

「小学生位の子供で、絶対に生きてる人じゃなかった」

と涙目で訴えてんのが妙に恐かった。

日頃お化けとか信じないTが、茶化さずに黙って真剣に話を聞いてたのも印象に残ってる。

Rも

「窓に何かが居たのは見た」

と言った。

それで中の俺達が危ないと判断して、Tに直ぐ出てくるように電話したという事だった。

1番2階部分に近かったTが言うには、デカイ音の正体は2階の部屋のドアが凄い勢いで開く音で、中から真っ黒い何かが廊下に出て来たのがチラッとだけ見えたらしい。

しかし

「はっきりとは見ていないし、勘違いだったかも」

と曖昧だった。

Tが珍しく真面目な感じで話してるのを見て、『ああ、こいつも相当ビビってたんだ』とようやく気付いた。

Uはダイニングで女の人の声を聞いた様な気がしたが、気のせいだったかも知れないと教えてくれた。

納得いかないままのライターの犯人については、わざとか誰も話題にしなくて、俺もその時はどうでも良いって気分だった。

再生したビデオカメラには特に変なモノが映っている事も無く、ただし階段で聞いた重い“ダン”って音だけはバッチリ入ってて再び鳥肌が立った。

ビデオで改めて見ると、驚かせようとして狙ってやったんじゃないかって感じの音のタイミングとか、本当は家に住み着いた浮浪者とかの仕業だったんじゃないかと少しだけ考えたが、何にしても、あんなトコに1人で住む奴なんか明らかにまともじゃない。

やはりあの家には何かしらヤバイのが居たのは間違いないと結論付けた。

すっかり明るくなってからUの家に一旦戻って解散し、俺の車でRとKを家まで送る時にRが教えてくれた話で、やっぱり幽霊だったんじゃないかって少しだけ思い直した。

R「(病院跡に)行く時さコンビニ寄ったでしょ?」

俺「うん」

R「駐車場で話してる時、タクシーのオジサン2人いたの知ってる?」

俺「あー、居たね。なんか1人こっちガン見してたわそういや」

R「そそ、そのオジサン、私達の真ん中をずっと見てたんよ」

俺「真ん中って?」

R「うん。ちょうど胸より下、子供の高さくらい・・・」

俺「(マジかよ)気のせいとかじゃ?」

K「アレ、私もあのオジサンの視線変だと思った。絶対におかしかった」

俺「・・・・・・」

それでこの話にはまだ続きがあって、その日から2日後位だったかの夕方にTから電話が掛かって来た。

『さっき車で田んぼに突っ込んだ』って。

んで、怪我とかはしてないし、JAFを呼んで待ってるところだって話なので、場所聞いてその現場まで行ったのね。

家からちょっと離れた交差点のそば。

ホント田舎だから、まわりに水田とかあるんだけど。

行ってみたら、ちょうどガードレールの無い場所から真っ直ぐ車が田んぼに落っこちてる。

こりゃレッカーじゃないと無理だわと思って、TとJAFが来るのを待ってる間に(1時間以上は余裕で待ったが)聞いたのが、仕事から帰る途中、ちょうど現場に差し掛かった時に急にハンドルが効かなくなって、そのまま正面の田んぼに突っ込んだという事らしかった。

ハンドルが効かなくなるなんて初めて聞いたし、どうせ脇見運転とかしててハンドルを切り損ねただけじゃないの?って疑った。

でも本人は、

「いや、間違いなくハンドルを左に回そうとしても効かなかった」

と言い張る。

JAFが来てからJAFの人に聞いても、

「いやー、そんな事は無いと思いますよ」

と言われた。

それでもTは納得いかないらしく、兎に角知り合いの整備工場に持って行って見て貰おうってことにした。

しかしこのハンドルの検査の結果は聞きそびれて、そのまま忘れてしまった。

それから更に5日か1週間後か位に又Tから電話が掛かって来て、今度は『事故った』。

「え?怪我は?大丈夫?」

って聞いたら、怪我は一切してないんだけど車の左サイドをやったと。

レンタルビデオ屋の駐車場から出る時に、左から直進して来た軽乗用車とガッチャンコしたらしい。

幸い軽乗用車が元々そんなにスピード出してなかったおかげで、軽乗用車の女の人も怪我とかはしてなかったそうだ。

それでも念の為に病院で検査受けた直後だって話だった。

んで、学校とバイトが忙しくってTとは会えずにいて、事故った日から1週間後に、又Tから『今からそっちに遊びに行っていいか?』と電話があったんで、

「いいよーおいで」

って話をして、1時間後にTが原チャリでやって来た。

Tが玄関に入った時、一瞬線香の匂いがした気がしたけど、気のせいだろうって思った。

事故った車を廃車にして、新車が納入されるまでは代車で通勤するって話だったから、『あれ?代車どうしたんだろ?』とか思いつつTを家に上げて、

「遅かったじゃん」

って話し掛けたら、

「うん」

とか返事するだけで妙に元気が無い。

ここ最近立て続けに事故ってるし、流石にへコンでんだろうなーと考えはするけど、それにしても元気がなさ過ぎるから、

「どした?何かあったか?」

と聞くと、

「ちょっとな、話があるんだけど」

って。

何だか陰気な雰囲気が嫌で、少しでも良くしようと思って、冗談で

「ここ最近ホントツイてないよな。呪われてんじゃねーの?w」

って言ったら、真面目な顔して

「かも知れん」

って。

日頃お化けとか呪いとか馬鹿にして全く信じてないTが言うもんだから、イヤーな予感がしたのね。

それでTの話によると、「夢を見る」と。

ちょうど肝試しの日の晩から毎晩、毎晩夢の中に小学生位の男の子が出てきて、現実と同じ様に布団で寝てるTの頭の真横に立って、ジッと顔を見てるんだって。

俺「えー、それって呪怨みたいな感じ?」

T「いや、見た目は普通なんだけど。でもな、今迄ずーっと立ってるだけだったんだけど、昨日の夜その子が顔を思いっきり耳に近づけて、『・・・して・・・して』って呻いたんだよ。あと、あの目はどうしたって生きてる奴の目じゃない」

俺「え?・・・夢だよな?」

T「・・・」

最初は、この間の肝試しでのイメージが強過ぎるせいでそんな夢を見るんだと思ってたが、それにしても生々しくて、子供が喋った時に顔に掛かる息がリアルだったと。

怖いもの知らずのTも、ここ最近の事故と夢が繋がりあるんじゃないかと思えて仕方がなく、それで俺に相談しに来たって事だった。

うわー、洒落になんねぇって思った。

思ったが、幽霊なんて俺も信じてる訳じゃなく、どう対処して良いのかなんて全然判らん。

正直この話を聞いた時も半信半疑だった。

それでもこの話が本当なら、2週間近く毎晩同じ子供の夢を見るって、とんでもなく気持ち悪いなと。

しかし、俺の方は別に何も変な事は起きていないし、

「何か心当たりとかあんの?」

って聞いたら

「ある」

って。

「あるってなに?」

って促すと、マジでビックリする事に、Tはあの家の中に落ちてた帽子を拾って持って帰って来てんだと。

流石に呆れて

「なんでそんなモン拾ったんだよ?」

と聞くと、

「いや、なんかビンテージっぽかったから」

なんて返事する。

それにしても、あの時Tが帽子を拾ったなんて話どころか、あの場所に帽子が落ちてたなんて事自体初めて知った。

んで、

「これ」

ってTがケツのポケットから出したのが野球帽。

今の球団名になる前の球団名のロゴが付いてるやつ。

どこの球団名かは書かない方が良いだろうから書かない。

もう、なんつーか、どうしてこんなモノをあんなトコで拾って被る気になるんだとか、何で今迄黙ってたんだとか、
ビンテージって意味ちがくね?とか頭の中で浮かんだけど、面倒くさかったから黙ってた。

それで、またこいつが追加で更に嫌な事を言う。

実はこの帽子、3回車で事故った時に、その全部に車の中に置いてたって。

それで、これはどうも帽子が原因なんじゃなかろうかと。

俺「え?ちょっと待って、3回って何?」

T「さっきな、此処に来る前に、俺んちの真ん前で車がスピンして外壁にぶつけた」

俺「はいー?」

それで来るのが遅くなって、しかも元々家にあった原チャリで来た訳か。

いやいやちょっと待って、ちょっと待って。

今目の前にあるこの野球帽のせいで事故が起こるのなら、俺んちでも何か嫌な事とか起こるんじゃねーだろうな。

とか考えててピーンって来た。

さっきTが言ってた夢の子供が『・・・して』って言うのは、ひょっとしてこの野球帽を『返して』って事じゃないのかと。

事故に子供に帽子って、それ、役満じゃん、これが呪いじゃないのなら何だと言う結論になって、この帽子を元あった場所に返しに行くって話になった。

でもその日はもう外は真っ暗になってて、とてもじゃないけど行く気にならん。

今夜はTをこの部屋に泊めて、翌朝返しに行こうという段取りにした。

その晩、テレビ観ながら酒とコーラで酒盛りをして、何時か忘れたけど夜もだいぶ深けた頃に、部屋の床でそのまま雑魚寝した。

そして夢を見た。

今寝ているまさにこの部屋。

真っ暗な部屋の真ん中に小学生位の子供が居る。

寝てる俺の顔を見つめたまま瞬きもせずピクリとも動かない。

最初俺の足元に立ってたのが、ゆっくり振り返ってテーブルの上に置いてある帽子を見下ろす。

次の瞬間、子供の顔だけが目の前に飛んできて、腹から絞り出すような声で

「ア・ア・ア・ア(聞き取れない)」。

もう一瞬で目が覚めて、起き上がり電気を付けたら、横でTもハァハァ息切らしながら上半身起こしてんの。

目だけでTに『見た?』って聞いたら、真っ青な顔で「うん、うん」って。

電気付けたまま2人とも暫くボーッとしてた。

なるべく帽子の方を見ずに朝まで過ごして、少し空が明るくなったところで俺の車であの家に向かった。

運転してる最中、緊張しまくりで、制限速度よりも遅いスピードで進んだ。

昼間に改めて来ると、家そのモノはそこまで迫力ある様に見えなかった。

それでも流石に家の中に入る気は起きず、以前入った窓から中に帽子を投げ入れた。

縁側の上に来る途中で買って来たお菓子とジュースを供えて、手を合わた後、2人して腹から声を出して

「すいませんでしたーーーー!」

と思いきり頭を下げた。

この後はTも俺も夢を見ることも事故も無く、今に至ります。

以上。

長々とここまで読んでくれた方、感謝。

出典元:
死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?298-5ch

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