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ちょっといい体験談2019.07.27 hide

人生で1回だけ体験した話

閲覧数:1,924人 文字数:1964 いいね数:5 0件

オカ板初めてきたんで、人生で1回だけ体験した心霊?話おいていきますね。

とりあえず、俺の住んでる所ってのがすごい田舎。

数年前ローソンとか出来たけど、周りは山に囲まれてるし、季節になると山葡萄とか秋には柿が庭で取れる、そんなレベル。

自動車の本道脇は全部あぜ道で、そこいらに広がる畑やら田んぼのど真ん中に俺んちはある。

結構庭も広くて、縁側は日の光が良い感じに差し込んできて、春先とかは最高に気持ちが良い。

暖かくなるとおばあちゃんがそこに座って、いっつも茶菓子やら煮干しを、お茶と一緒に食べるのがデフォだった。

そいで、いつから来だしたのか分からないのだけれど、庭によく猫がやってきてた。

1匹とかじゃなく何種類も。

ブチだったり三毛だったり。

おばあちゃんが日向ぼっこをしている時に餌をやってんの。

そんな風景を俺は当たり前だと思っていたし、家族も猫を追っ払うでもなく、かといって飼い猫みたいに首輪をつける事も無く、何となく『トラ』だの『ブッチさん』だの名前をつけては、それを眺めてた。

高校を出た俺は頭も良くなかったし、地元の食品会社に勤めることになった。

家から車でホント5~6分の距離で、職場環境も良かった。

うちの職場では、鰹節の粉カスみたいなのが毎日沢山出る。

ある日、俺がその粉カスを持って帰ると、おばあちゃんがめちゃ喜んで、

「猫は鰹節がすきやからなぁ、きっと喜ぶわぁ」

って、その鰹粉を受け取った。

次の日から、小さな陶器の器におばあちゃんが鰹粉を入れて、猫たちにやるようになった。

気がつけばおばあちゃんはもう80を過ぎていて、昔は自転車に乗って買い物をしにいったり、老人会の集いみたいなのに出かけていたのに、いつのまにかそれをしなくなっていた。

毎日顔を合せているから分からなかったが、よく見れば頬は扱け、手には血管が浮いていた。

それでもおばあちゃんは、毎日猫たちに餌をやり続けた。

おばあちゃんが疲れて布団から出てこないときは、俺や母が餌をやった。

一昨年の夏、俺が職場のゴミ出しに外へ出ると、おばちゃんが『クロ』と呼んでいた猫がゴミ置き場にいた。

地面に寝転がるのが本当に好きで、よく餌を食べる、なんだかだらしのない印象の猫だった。

いつも面倒くさそうな顔をしていたけれど、どこか憎めない奴だ。

俺は心の中で、『ああ、この生ゴミの臭いに釣られたな』と思い、少しニヤついた。

いつも家で見ているクロを職場で見るのは、何だか新鮮で少し嬉しかったのだ。

クロは俺を見据えたままトコトコこっちへやってきて、ゴミ袋を持った俺の1メートル手前で、背筋を伸ばしビシッと座った。

いつもだったら、足元に擦り寄ってきて餌をおねだりをするクロが、まるで敬礼しているみたいに前足や耳をピンと張らせ、自分を見ている。

そんなクロを今までに見た事が無かった。

鳴きもせず喉を鳴らす事もせず、只ひたすらに彼は俺の目を見つめたのだ。

彼が伝えようとした意味は、そんなに難しい事じゃなかった。

受け入れたくない類の、けどいつかはやって来る事だった。

大人になって初めて泣いた。

ゴム手袋をはずして目頭を押さえても涙はどんどん出てきて、嗚咽みたいな声としゃっくりが止まらなかった。

滲んだ視界にクロがぼやけて映って、それでもまだちゃんと俺に何かを伝えようとしてくれていた。

「わがっだ、わがっだがら」

俺はぐしぐし言いながらクロにそう言った。

胸が締め付けられて息が出来ない。

置物みたいに動かないクロの顔は凛としているのにも関わらず、何故だかすごく無理をしているみたいで、俺はそれがたまらなく悲しい事のように感じた。

ゴミ捨て場で泣いている俺を上司が見つけて、それでも涙が止まらない俺は

「すいません、すいません」

としか言えなかった。

上司に付き添われながら戻る時、ゴミ捨て場のほうを見ると、クロはもうそこには居なかった。

会社に電話が掛かってきて、『祖母が死んだ』という知らせを聞かされたのは、すぐ後のことだった。

今でも俺んちは暖かい日に猫が来て、ひなたぼっこをしたり、母に餌をねだったりしている。

俺はまだ見た事がないのだけれど、クロが時折背筋を伸ばし縁側を見るのだそうだ。

そうした時我が家では、座布団とお茶とお菓子を縁側に置くようにしている。

出典元:
餌やり|【恐怖】怖い話
  • ちょっといい体験談

祖母虫の知らせ訃報猫

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