もう30年以上前の話だが俺が小学4年の夏休み、勝手に隣の校区のゲームショップまで自転車で一人で行った
田舎なので片道12キロくらいあるんだが道は覚えていたし親や先生にバレたら怒られる事も分かっていたが行きたい気持ちを抑えきれなかった
ショップで夢中になりすぎて時間は夕方になっていた
急いで帰らないと怒られると思って自転車を飛ばして帰っていたんだが途中でなぜか「この道を行けば早く帰れる」と思った
それは俺の家とゲームショップがある地域の間にある大きなダムでダムは一周ぐるりと道が繋がっていて2箇所に降りる道がある
それは自分が今から入ろうとしていた道と、もう一つが俺が住んでいる町に繋がる道
何度か魚釣りに来たことがあったから覚えていたし時間も急ぐからとにかく急いでダムの外周の道に入った
既に陽は暮れて外周の道には街灯もなく真っ暗になっていた
どんなに走っても俺の住む町に降りる道が出てこない
かなり走った感じもして疲れて怖くて泣きそうになったのを覚えている
どのくらい走ったか分からないけど初めて車の灯りが向こうから来るのが見えた
車が目の前に止まったときに「ヤバイ」と思った
その車はパトカーで瞬時に「怒られる」と思ったが同時に「助かった」と安堵した
結局パトカーに連れられ家に帰ったんだが親も警察もかなり大袈裟だった
親なんか怒り狂ってると思っていたのに両親とも泣きながら抱きしめられた
ちらっと時計を見たら既に22時で俺は「もうそんな時間!」と思ったんだが話を聞いていると俺は丸一日帰って来ず、俺がゲームショップに行った翌日の夜に保護されたらしい
俺は朝も昼も迎えた記憶は一切なかった
ただ暗闇を半泣きで自転車を漕いでいた事しか覚えてない
もう30年くらいモヤモヤしている
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