数年前私が特別国家公務員だった頃の話。
練馬で祭りがあると言うのでその支援のため北関東から大宮に出張しました。
そこの外来宿舎に泊まったのですがとても古い建物でした。
他から来た人(A氏としよう)とも話していたのですが何だか建物の作りがおかしかったのです。
「何だか病院みたいなところですね」とその人気味が悪そうには言いました。
そして何よりも気がかりだったのは地下に続く階段が閉鎖されていたことだったらしい。
私は別に気にしないで仕事に就いていました。
しかしある日A氏が高熱を出して寝込んでしまったのです。
そしてA氏は「ここはおかしい!何かいる!金縛りに遭ったんだ!」と真剣な顔をして話すのです。
霊感などまったく無い私には彼の言っている事がさっぱりわかりませんでした。
そしてA氏は「隣の階段に気をつけろ」と言いました。
私たちが泊まっている部屋のすぐ隣にあの階段があるのです。
結局A氏は交代となり別の人員(B氏とします)が派遣されることになりました。
私がA氏のことについて話すとB氏は呆れ顔でした。「霊感がある奴も大変だよな」
結局その後は何も無くそこを去るときがきました。
そのときB氏が「あの階段の地下に行ってみようか」と言い出したのです。
無理をすれば入れなくも無いのですが例のA氏の件もありあまり乗り気ではなかったのですが、B氏に付き合うことにしました。
障害物を乗り越えて地下に入ったはいいのですが夏の昼間なのに空気がひんやりとしていました。
薄暗い地下に降り立った私たちが見た物は壁がコンクリートでできた何も無い空間でした。
しかしB氏が「あれは何だ」と言って奥を指差しました。
やはりコンクリートでできた長方形の土台のような物が3個。ちょうど人が寝れるような。
それに近づいたB氏が急に顔をしかめました。「なんだよこれ」
その土台の隣に土台と同じぐらいの幅のくぼみがあったのです。
ちょうど人が入れるような。
古い病院のような建物の地下のこの物体。
私はB氏と顔をあわせると足早にそこを去りました。
その後あの土地の話を聞くと昔米軍の病院があったとか、旧日本軍の施設があったとかいろいろ話を聞きました。
聞いているうちにA氏が体験した事は本当だったのかも知れないと思いました。
そこには化学物資を扱う団体がいるのです。
地下への階段
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